テーマ72 管理職者として明るく礼儀正しい部署をつくる
■担当部署の性格
イギリスの心理学者レイモンド・キャッテル氏は、
各個人が持つパーソナリティと同じように、
集団が持つ特性のことをシンタリティと名付け、
その集団の持つ
自主性、柔軟性、陽性度、親和度、結集度、粘着度
などが集団の特性を決定する要因といっています。
多くの管理職の方は、自分の担当部署は、
明るく、前向きで、生産性の高い、
きちんとした部署にしたいと話します。
実務的には、明るく、前向きで、生産性の高い、
きちんとした部署をつくるためには、
管理職者の方が、職場における日頃の
「あいさつ、礼儀、身だしなみ、態度、ことば使い」
を部署員の方が、きちんとできるように「しつける」ことが重要です。
新入研修の時に、新入社員の方に、
おじぎの仕方や名刺交換の仕方、身だしなみのあり方、
言葉遣いなどを勉強してもらいますが、
これは、相手に最高に生産性の高い仕事をしてもらうための、
働く者の基本的なマナーですとお伝え致します。
明るく、前向きで、生産性の高い部署をつくるためには、
「あいさつ、礼儀、身だしなみ、態度、ことば使い」
をきちんと行うということが、絶対の条件となります。
■職場は感情の交流の場
職場は感情を持ち、血の通った、
生身の人間がつくっている集団です。
例えば、「おはようございます。お疲れ様でございます。」
といったあいさつは、業務を遂行する上では、
何も意味はないと思われるかもしれませんが、
人間が基本的に持つ警戒心を解き、
チームワークよく、生産性の高い仕事を行っていくためには、
あいさつは、非常に重要な役割を果たします。
人間は、好むと好まざるとに関わらず、
無神経な態度やことば使いには、不快感を感じます。
人の集団である職場は、感情交流の場でもあり、
「あいさつ、礼儀、身だしなみ、態度、ことば使い」
をきちんと行うことが、
仕事上重要だとの認識を持つことが必要です。
■お互いに関心を持ち、理解し合う
『史記』「刺客伝」などの故事に
「士は己を知る者のために死す」という言葉があります。
人は自分の真価をよく分かってくれる人のためには
命をなげうってでも尽くすものだ。
との意味になります。
中国、晋(しん)の智伯(ちはく)が
趙(ちょう)の襄子(じょうし)に滅ぼされたとき、
その臣であった予譲(よじょう)が
かつて仕えていた恩人である智伯の仇を
討つときに言った言葉とのことです。
姓名を変え、顔面を傷つけるなどして別人を装い、
襄子をつけねらいましたが、
捕らえられ目的を果たすことはできませんでした。
しかし、襄子の計らいで襄子の服を斬ることによって
復習をはたしたことにし、
その後、予譲は、剣に伏せて自らの体を貫いて自決した、
と伝えられております。
人間は、自分を理解して認めてくれる人のために
尽くしたいという、基本的な感情を持っていると思います。
部署員の人達が、お互いに関心を持ち、
理解し合うことによって、お互いのために、
少しでも良い仕事をしようという感情も湧いてきます。
そのためには、あいさつをはじめとした、
日頃のお互いを尊重し合った、
関わり合いが重要となります。
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